式は、パラメーターの形式および値をカスタマイズするために使用されます。例えば、式を使用して、オブジェクトに対して次の処理を行うことができます。
- 2 つの異なる色で点滅させる
- 特定の形式で日付を表示する
- 2 つの式の値を結合する
- パラメーターの平方根を返す
式は、記号に含まれるどのような属性にも設定できます。
オブジェクトに式を使用するには、以下の手順に従います。
-
「複数オブジェクトの回転インタラクターの作成」で作成した記号を開きます。
-
Text オブジェクトを選択します。
-
スタイリング・カスタマイザーで、「テキスト」タブをクリックします。
-
「ラベル」フィールドを右クリックします。ポップアップ・メニューが表示されます。
-
「式を入力」をクリックします。
-
「ラベル」フィールドの内容を削除します。これは、ドロップダウン・リストに変わります。
-
「ラベル」フィールドの右側の矢印をクリックします。式の一覧が表示されます。
-
@rotationValue
式を選択します。 -
以下のように式を入力します:
rotationValue(0,360,@rotate,0,360)
-
「プレビュー」をクリックして、この記号をテストします。
記号上でマウスを回転させると、テキスト・ラベルが更新されて、回転角度が表示されます。
式は、他の式、モデル属性、ストリング・リテラルを組み合わせることができます。例えば、以下の式は、ストリングのパラメーターの整数値を印刷します。
concat("the rotation value is ", rotationValue(0,360,@rotate,0,360),
".")
メモ
式を作成するときは、パラメーター名や式を入力せずに、常に一覧から値を選択します。
可能な式を次の表に示します。
Symbol Editor の式
名前 |
説明 |
例 |
---|---|---|
parameter specification |
記号内のパラメーター。 |
@myparam |
parameter (parametername) |
String として指定された記号内のパラメーター。 |
@parameter("myparam") |
int(expr) |
引数を式として評価します。結果は、型 Integer の数値です。 |
int(@param*100) |
long(expr) |
引数を式として評価します。結果は、型 Long の数値です。 |
long(@x+@y) |
float(expr) |
引数を式として評価します。結果は、型 Float の数値です。 |
float(cos(@value)) |
double(expr) |
引数を式として評価します。結果は、型 Double の数値です。 |
double(@value*3) |
cast(expr,type) |
値を型にキャストします。
2 番目の引数は完全修飾クラス名 ( String として入力される) またはクラス・オブジェクトとすることができます。 |
cast(@param,"java.awt.Color") |
min(arg0, arg1,
...) |
引数の中の最小数を返します。
引数はすべて数字でなければなりません。特に指定されていない限り、引数は型 Double の数値として解釈されます。 |
min(@x,@y,0) |
max(arg0, arg1,
...) |
引数の中の最大数を返します。
引数はすべて数字でなければなりません。特に指定されていない限り、引数は型 Double の数値として解釈されます。 |
max(@x,@y,1000) |
invoke(obj,methodname,signature,arg...) |
イントロスペクションによって、オブジェクトに対するメソッドを呼び出します。
シグニチャー・ストリングは、メソッドの引数タイプを、(完全修飾) タイプ名のコンマ区切りリストとして指定します。それに応じてオブジェクトと引数をキャストする必要があります。
|
指定 @|invoke(cast(@val,java.lang.String), substring,"int,int",int(3),int(6)) 。この例は、呼び出し ((String)@val).substring(3,6) に対応します。 |
invokeStatic(classname,methodname,signature,arg...) |
イントロスペクションによって、指定されたクラスに対する静的メソッドを呼び出します。
シグニチャー・ストリングは、メソッドの引数タイプを、(完全修飾) タイプ名のコンマ区切りリストとして指定します。それに応じて引数をキャストする必要があります。
|
指定 @|invokeStatic("java.lang.Math", "atan2","double,double",double(0.6), double(0.4)) 。この例は、呼び出し java.lang.Math.atan2(0.6,0.4) に対応します。 |
new(classname,signature,arg...) |
イントロスペクションによって、指定されたクラスに対するコンストラクターを呼び出します。
シグニチャー・ストリングは、メソッドの引数タイプを、(完全修飾) タイプ名のコンマ区切りリストとして指定します。それに応じて引数をキャストする必要があります。
|
指定 @|new("java.util.Date","long", long(1293840000000)) 。この例は、呼び出し java.util.Date(1293840000000L) に対応します。 |
abs(arg) |
パラメーターの絶対値。 |
java.lang.Math を参照。 |
sin(arg) |
角度の三角関数正弦を返します。 |
java.lang.Math を参照。 |
cos(arg) |
角度の三角関数余弦を返します。 |
java.lang.Math を参照。 |
tan(arg) |
角度の三角関数正接を返します。 |
java.lang.Math を参照。 |
asin(arg) |
-π/2 から π/2 までの範囲で、角度の逆正弦を返します。 |
java.lang.Math を参照。 |
acos(arg) |
0.0 からπまでの範囲で、角度の逆余弦を返します。 |
java.lang.Math を参照。 |
atan(arg) |
-π/2 から π/2 までの範囲で、角度の逆正接を返します。 |
java.lang.Math を参照。 |
log(exp) |
double 値の自然対数 (base e) を返します。 |
java.lang.Math を参照。 |
exp(arg) |
オイラー数 e を double 値で累乗した値を返します。 |
java.lang.Math を参照。 |
ceil(arg) |
引数以上で数学的整数に等しい最小の (負の無限に最も近い) double 値を返します。 |
java.lang.Math を参照。 |
floor(arg) |
引数以下で数学的整数に等しい最大の (正の無限に最も近い) double 値を返します。 |
java.lang.Math を参照。 |
rint(arg) |
引数に最も近く、数学的整数に等しい double 値を返します。 |
java.lang.Math を参照。 |
round(arg) |
引数に最も近い整数値を返します。1/2 を加算し、結果を切り捨てて、整数に丸めます。 |
java.lang.Math を参照。 |
sqrt(arg) |
倍精度値の正の平方根を正しく丸めた値を返します。 |
java.lang.Math を参照。 |
rotationValue(min,max,value,start,end) |
範囲 0 から max -min の value パラメーターを範囲 start から end までにマップすることにより、回転角度を計算します。 |
rotationValue(0,100,@rotate,10,20) |
random() |
0 から 1 の間の乱数を返します。 |
random() |
random(n) |
0 から n の間の乱数を返します。 |
random(16) |
point(x, y) |
タイプ IlvPoint のポイントを返します。 |
point(5,5) |
rect(x, y, w, h) |
タイプ IlvRect の矩形を返します。 |
rect(0,0,100,50) |
blinkingColor(onColor,
offColor) |
IlvBlinkingRenderer に指定されたタイミングで明滅色を返します。 |
blinking(green,yellow) |
blinkingColor(onColor,
offColor, onTime, offTime) |
ミリ秒で指定されたタイミング onTime および offTime で交互明滅色を返します。 |
blinking(green,yellow,500,1000) |
brighterColor(color) |
Color.brighter に対応する色を返します。 |
brighterColor(gray) |
darkerColor(color) |
Color.darker に対応する色を返します。 |
darkerColor(red) |
concat(arg1,...,argn) |
引数 arg1,...,argn の連結をストリングとして返します。 |
concat("result is:
",@result) |
emptyString() |
空ストリングを返します。 |
emptyString() |
messageFormat(format,arg0,arg1,...) |
異なるストリングを特定のメッセージ形式にフォーマットします。詳しくは、java.text.MessageFormatを参照してください。 |
messageFormat('{0}:
{1,number,#.##}','result',44.2874). この例では、44.28" を返します。 |
decimalFormat(format,arg) |
数値から形式設定されたストリングを返します。詳しくは、java.text.DecimalFormatを参照してください。 |
decimalFormat("#.#",
pi) これは、「3.1」を返します。 |
simpleDateFormat(format,
arg[, locale]) |
日付から形式設定されたストリングを返します。詳しくは、java.text.SimpleDateFormatを参照してください。 |
simpleDateFormat("MM/dd/yyyy",@date) これは、「10/01/2001」を返します。 |
customFormat(formatBean,arg0,arg1,...) |
形式設定されたストリングを返します。formatBean パラメーターは、タイプ MessageFormat、NumberFormat、または、DateFormat の Java オブジェクト (通常は @#id 構文を使用して定義される) でなければなりません。
|
customFormat(@#format,
'{0} {1}', 'result', 44.2874) |
locale() |
スタイリングしようとしているオブジェクトのロケールまたは現行コンテキストのロケールを返します。 |
locale() |
localized(resourceBundleName,
resourceName[, locale]) |
指定されたリソースのローカライズされた値 (ResourceBundle から取り出される) をストリングとして返します。
|
localized('ilog.views.messages','ilog.views.defaultLabel') |
childrenCount() |
子の数を返します。 |
childrenCount()==0 |
これらの式の多くは CSS 関数です。カスタム関数の使用を参照してください。ユーザー定義の CSS 関数を Symbol Editor に登録する場合、jviews-framework-all.jar からファイル ilog/views/util/css/cssfunctions.properties を抽出します。このファイルには、定義済みの CSS 関数の設定が含まれています。このファイルの指示に従ってユーザー定義の CSS 関数を追加します。