式の使用

式は、パラメーターの形式および値をカスタマイズするために使用されます。例えば、式を使用して、オブジェクトに対して次の処理を行うことができます。
  • 2 つの異なる色で点滅させる
  • 特定の形式で日付を表示する
  • 2 つの式の値を結合する
  • パラメーターの平方根を返す
式は、記号に含まれるどのような属性にも設定できます。
オブジェクトに式を使用するには、以下の手順に従います。
  1. 複数オブジェクトの回転インタラクターの作成」で作成した記号を開きます。
  2. Text オブジェクトを選択します。
  3. スタイリング・カスタマイザーで、「テキスト」タブをクリックします。
  4. ラベル」フィールドを右クリックします。
    ポップアップ・メニューが表示されます。
  5. 「式を入力」をクリックします。
  6. 「ラベル」フィールドの内容を削除します。
    これは、ドロップダウン・リストに変わります。
  7. ラベル」フィールドの右側の矢印をクリックします。
    式の一覧が表示されます。
  8. @rotationValue 式を選択します。
  9. 以下のように式を入力します: rotationValue(0,360,@rotate,0,360)
  10. プレビュー」をクリックして、この記号をテストします。
記号上でマウスを回転させると、テキスト・ラベルが更新されて、回転角度が表示されます。
式は、他の式、モデル属性、ストリング・リテラルを組み合わせることができます。例えば、以下の式は、ストリングのパラメーターの整数値を印刷します。
concat("the rotation value is ", rotationValue(0,360,@rotate,0,360), ".")
メモ
式を作成するときは、パラメーター名や式を入力せずに、常に一覧から値を選択します。
可能な式を次の表に示します。
Symbol Editor の式
名前
説明
parameter specification
記号内のパラメーター。
@myparam
parameter (parametername)
String として指定された記号内のパラメーター。
@parameter("myparam")
int(expr)
引数を式として評価します。結果は、型 Integer の数値です。
int(@param*100)
long(expr)
引数を式として評価します。結果は、型 Long の数値です。
long(@x+@y)
float(expr)
引数を式として評価します。結果は、型 Float の数値です。
float(cos(@value))
double(expr)
引数を式として評価します。結果は、型 Double の数値です。
double(@value*3)
cast(expr,type)
値を型にキャストします。 2 番目の引数は完全修飾クラス名 (String として入力される) またはクラス・オブジェクトとすることができます。
cast(@param,"java.awt.Color")
min(arg0, arg1, ...)
引数の中の最小数を返します。 引数はすべて数字でなければなりません。特に指定されていない限り、引数は型 Double の数値として解釈されます。
min(@x,@y,0)
max(arg0, arg1, ...)
引数の中の最大数を返します。 引数はすべて数字でなければなりません。特に指定されていない限り、引数は型 Double の数値として解釈されます。
max(@x,@y,1000)
invoke(obj,methodname,signature,arg...)
イントロスペクションによって、オブジェクトに対するメソッドを呼び出します。 シグニチャー・ストリングは、メソッドの引数タイプを、(完全修飾) タイプ名のコンマ区切りリストとして指定します。それに応じてオブジェクトと引数をキャストする必要があります。
指定 @|invoke(cast(@val,java.lang.String),substring,"int,int",int(3),int(6))。この例は、呼び出し ((String)@val).substring(3,6) に対応します。
invokeStatic(classname,methodname,signature,arg...)
イントロスペクションによって、指定されたクラスに対する静的メソッドを呼び出します。 シグニチャー・ストリングは、メソッドの引数タイプを、(完全修飾) タイプ名のコンマ区切りリストとして指定します。それに応じて引数をキャストする必要があります。
指定 @|invokeStatic("java.lang.Math","atan2","double,double",double(0.6),double(0.4))。この例は、呼び出し java.lang.Math.atan2(0.6,0.4) に対応します。
new(classname,signature,arg...)
イントロスペクションによって、指定されたクラスに対するコンストラクターを呼び出します。 シグニチャー・ストリングは、メソッドの引数タイプを、(完全修飾) タイプ名のコンマ区切りリストとして指定します。それに応じて引数をキャストする必要があります。
指定 @|new("java.util.Date","long",long(1293840000000))。この例は、呼び出し java.util.Date(1293840000000L) に対応します。
abs(arg)
パラメーターの絶対値。
java.lang.Math を参照。
sin(arg)
角度の三角関数正弦を返します。
java.lang.Math を参照。
cos(arg)
角度の三角関数余弦を返します。
java.lang.Math を参照。
tan(arg)
角度の三角関数正接を返します。
java.lang.Math を参照。
asin(arg)
-π/2 から π/2 までの範囲で、角度の逆正弦を返します。
java.lang.Math を参照。
acos(arg)
0.0 からπまでの範囲で、角度の逆余弦を返します。
java.lang.Math を参照。
atan(arg)
-π/2 から π/2 までの範囲で、角度の逆正接を返します。
java.lang.Math を参照。
log(exp)
double 値の自然対数 (base e) を返します。
java.lang.Math を参照。
exp(arg)
オイラー数 e を double 値で累乗した値を返します。
java.lang.Math を参照。
ceil(arg)
引数以上で数学的整数に等しい最小の (負の無限に最も近い) double 値を返します。
java.lang.Math を参照。
floor(arg)
引数以下で数学的整数に等しい最大の (正の無限に最も近い) double 値を返します。
java.lang.Math を参照。
rint(arg)
引数に最も近く、数学的整数に等しい double 値を返します。
java.lang.Math を参照。
round(arg)
引数に最も近い整数値を返します。1/2 を加算し、結果を切り捨てて、整数に丸めます。
java.lang.Math を参照。
sqrt(arg)
倍精度値の正の平方根を正しく丸めた値を返します。
java.lang.Math を参照。
rotationValue(min,max,value,start,end)
範囲 0 から max-minvalue パラメーターを範囲 start から end までにマップすることにより、回転角度を計算します。
rotationValue(0,100,@rotate,10,20)
random()
0 から 1 の間の乱数を返します。
random()
random(n)
0 から n の間の乱数を返します。
random(16)
point(x, y)
タイプ IlvPoint のポイントを返します。
point(5,5)
rect(x, y, w, h)
タイプ IlvRect の矩形を返します。
rect(0,0,100,50)
blinkingColor(onColor, offColor)
IlvBlinkingRenderer に指定されたタイミングで明滅色を返します。
blinking(green,yellow)
blinkingColor(onColor, offColor, onTime, offTime)
ミリ秒で指定されたタイミング onTime および offTime で交互明滅色を返します。
blinking(green,yellow,500,1000)
brighterColor(color)
Color.brighter に対応する色を返します。
brighterColor(gray)
darkerColor(color)
Color.darker に対応する色を返します。
darkerColor(red)
concat(arg1,...,argn)
引数 arg1,...,argn の連結をストリングとして返します。
concat("result is: ",@result)
emptyString()
空ストリングを返します。
emptyString()
messageFormat(format,arg0,arg1,...)
異なるストリングを特定のメッセージ形式にフォーマットします。詳しくは、java.text.MessageFormatを参照してください。
messageFormat('{0}: {1,number,#.##}','result',44.2874).
この例では、44.28" を返します。
decimalFormat(format,arg)
数値から形式設定されたストリングを返します。詳しくは、java.text.DecimalFormatを参照してください。
decimalFormat("#.#", pi)
これは、「3.1」を返します。
simpleDateFormat(format, arg[, locale])
日付から形式設定されたストリングを返します。詳しくは、java.text.SimpleDateFormatを参照してください。
simpleDateFormat("MM/dd/yyyy",@date)
これは、「10/01/2001」を返します。
customFormat(formatBean,arg0,arg1,...)
形式設定されたストリングを返します。formatBean パラメーターは、タイプ MessageFormat、NumberFormat、または、DateFormat の Java オブジェクト (通常は @#id 構文を使用して定義される) でなければなりません。
customFormat(@#format, '{0} {1}', 'result', 44.2874)
locale()
スタイリングしようとしているオブジェクトのロケールまたは現行コンテキストのロケールを返します。
locale()
localized(resourceBundleName, resourceName[, locale])
指定されたリソースのローカライズされた値 (ResourceBundle から取り出される) をストリングとして返します。
localized('ilog.views.messages','ilog.views.defaultLabel')
childrenCount()
子の数を返します。
childrenCount()==0
これらの式の多くは CSS 関数です。カスタム関数の使用を参照してください。ユーザー定義の CSS 関数を Symbol Editor に登録する場合、jviews-framework-all.jar からファイル ilog/views/util/css/cssfunctions.properties を抽出します。このファイルには、定義済みの CSS 関数の設定が含まれています。このファイルの指示に従ってユーザー定義の CSS 関数を追加します。