2 つの空間参照システム (SRS) 間での変換

2 つの空間参照システム (SRS) 間での変換は、数学的変換または一連の数学的変換による座標変換で行います。
例えば、(経度と緯度で表される) Global Positioning System (GPS) ポイントを (座標をメートル単位の UTM 投影で表した) 州の地図に重ねる場合、州地図の座標は投影座標系で、GPS 座標は地理座標系で表されます。各データ・ソースの SRS が判明すると、JViews Maps パッケージでは、数学的変換を構成して、ある座標系から他の座標系に変換できます。
SRS 変換および座標変換は、主に次の 2 つの目的に使用します。
1 つ目の目的は、リーダー・フレームワークのパイプラインをレンダリングすることです。主な手順は次のとおりです。
  1. ソース SRS を定義します。
    ソース・データの SRS は、ほとんどの場合、リーダーまたは使用するイテレーターの機能に格納されます。そうでない場合、リーダーは setSourceCoordinateSystem() メソッドを提供します。 ソース・データの SRS は、イテレーターに返された地図機能に格納されます。
  2. ターゲット SRS を定義します。
    ターゲット・データの SRS はオプションです。レンダリング機構で必要となるのは座標変換のみです。グラフィック・オブジェクトをレンダリングする前に座標変換を作成する必要があります。
  3. 座標変換を作成します。
    座標変換が不要な場合、レンダリングは同一変換を使用して実行できます。
  4. イテレーターが提供する地図機能を反復処理して、レンダリングします。
2 つ目の目的は、フリー・データを配置することです (レンダラーがない場合は、自分でグラフィック・オブジェクトの座標を作成します)。主な手順は、ほとんど同じです。
  1. ソース SRS を定義します。
  2. ターゲット SRS を定義します。
  3. 座標変換を作成します。
  4. 座標を手作業で変換します。
以下のパッケージでは、地図で使用する便利な SRS を定義します。
  • 座標系と関連クラスが含まれます。
  • 座標系間での変換を定義します。
  • 座標系と Open GIS Well-Known Text (WKT) 仕様との変換を行うためのファクトリーやユーティリティー・クラスを定義します。
  • 投影座標系で使用する投影図法を定義します。
    メモ
    projection パッケージには楕円体と測地データ (水平データ) の定義も含まれています。投影図法に特有のものでない場合も同様で、coordsys パッケージで使用されます。これは投影図法を使用して投影座標系のみを処理する JViews Maps 5.0 より前のバージョンとの互換性を保つためです。