オブジェクトでのレンダリング・プロパティーの使用

レンダラーの一般ルールに加えて、レンダリング・プロパティー を使用してオブジェクトごとにレンダラーの動作をカスタマイズするように、 特定のルールを作成できます。 レンダリング・プロパティーは、グラフィック・オブジェクトの追加プロパティーと見なすことができ、これを設定することで、 特定のオブジェクトの処理方法をレンダラーに指示できます。
例えば、GraphLayout レンダラーは、Fixed というレンダリング・プロパティーを定義しています。 このプロパティーを true に設定すると、GraphLayout レンダラーはオブジェクトの位置を変更しません。 以下のコード例では、Fixed プロパティーを設定するスタイル・ルールを示します。
特定タイプのノードのレイアウトのカスタマイズ
node.participant {
   shapeType   : "Ellipse";
   Fixed : "true";	
}
このルールは、グラフ・レイアウト の適用時に、 タイプ participant のノードを移動してはならないことを指示しています。 ご覧のとおり、グラフィック・オブジェクトの「実際の」プロパティー (shapeType など) とレンダリング・プロパティー (Fixed など) を混用できます。
重要
一般に、ほとんどのレンダリング・プロパティーの先頭文字は大文字であるのに対し、グラフィック・オブジェクトのプロパティーの先頭文字は小文字です。
以下の事前定義レンダラーには、レンダリング・プロパティーがありません。
  • Coloring
  • Decoration
  • LabelLayout
  • Legend
(通常はこのようなことにはなりませんが) レンダリング・プロパティーがグラフィック・オブジェクト・プロパティーと競合する場合は、 疑似クラス構造を使用して、ルールを指定レンダラーに制限できます。 例えば、カスタム・グラフィック・オブジェクトを作成していて、このオブジェクトにも Fixed というプロパティーがあるものとします。 以下のコード例では、(カスタム・グラフィック・オブジェクトではなく) レンダラーでのみプロパティーを設定するように指定するスタイル・ルールを示します。
グラフィック・オブジェクトのレンダラー・プロパティーの設定
node.participant:renderer {
   Fixed : "true";	
}
疑似クラス renderer は、Fixed というプロパティーを持つレンダラーとして解釈されます。
疑似クラス指定は、先頭文字が小文字のレンダラー名にすることもできます (例えば、graphLayoutRenderer)。