Rogue Wave JViews Bean による簡単なアプレットの作成

Rogue Wave JViews Framework Beans を使用して単純な Rogue Wave® JViews アプレットを作成する場合は、コーディングは不要です。作成するアプレットは単純な Swing アプレットで、ツールバーに蝶を表示してビューの内容をズーム、パンできるようにします。
JavaBeans の基底となる概念については、website サイト http://java.sun.com/products/javabeans を参照してください。IDE 内における JavaBeans の操作に精通していることが前提です。
メモ
これから使用する Swing beans には、bean 名に接頭辞「J」が付いています。同じタイプのアプリケーションを AWT コントロールのみを使用して作成することも可能です。これを行うには、IlvJScrollManagerView Bean の代わりに、AWT コントロールである IlvScrollManagerView Bean を使用するだけです。
次の例では、典型的な IDE 手順を使用しています。次の段階で構成されています。
  1. マネージャー・ビューを作成する
  2. マネージャー・ビューのプロパティーを設定する
  3. マネージャーを作成してその内容をビューに表示する
  4. .ivl ファイルをマネージャーにロードする
  5. コントロール・ツールバー Bean を追加する
  6. ツールバーを設定する
  7. 結果をテストする

マネージャー・ビューを作成する

マネージャー・ビューを作成するには、次のようにします。
  1. Swing アプレットまたはアプリケーションとして新規プロジェクトを作成します。
  2. そのパッケージを選択して、ツールバー上に Rogue Wave JViews Bean を表示します。
  3. ツールバーから、 IlvJScrollManagerView Bean アイコン IlvJScrollManagerViewColor16.gif をクリックし、それを IDE のフォーム・デザイナーにドラッグします。
    警告
    ツールバーには、2 つのアイコンがあります。IlvScrollManagerView ではなく、IlvJScrollManagerView を使用していることを確認してください。
  4. 次の図のようになるまで、IlvJScrollManagerView Bean のハンドルをドラッグします。
    ドラッグされる IlvJScrollManagerView Bean
    IlvJScrollManagerView 形状デザイナーで選択されたオブジェクト
  5. ツールバーの IlvManagerView Bean アイコン IlvManagerViewColor16.gif をクリックし、それを IlvJScrollManagerView Bean 内にドラッグします。
    結果は、マネージャー・ビューを選択できるという点を除いて、前に得られたものとよく似たものになります。「内部に選択された IlvManagerView オブジェクトを持つ IlvJScrollManagerView オブジェクト」を参照してください。
    メモ
    この時点でプロジェクトをコンパイル、実行した場合は、IlvJScrollManagerViewIlvManagerView Bean の内容をスクロールできます。
    選択した IlvmanagerView Bean を中に持つ IlvJScrollManagerView
    内部に選択された IlvManagerView オブジェクトを持つ IlvJScrollManagerView オブジェクト
次のステップでは、Bean のマネージャー・ビュー・プロパティーを変更します。これは、次のプロパティー・シートで行います。 IlvManagerView オブジェクトが現在、形状デザイナーで選択されているので、このプロパティー・シートは有効になっています。変更するプロパティーは、Background プロパティーです。
プロパティー・シート
IlvManagerView オブジェクトのプロパティー・シート

マネージャー・ビューのプロパティーを設定する

マネージャー・ビューのプロパティーを設定するには、以下の手順に従います。
  1. Background プロパティーの値フィールドをクリックし、ビューの背景を white に変更します。
    Background プロパティーの設定
    ビューの Background プロパティーの設定
  2. KeepingAspectRatio プロパティーを true に変更します。
    これで、x 軸と y 軸に沿って同じズーム・レベルが確保されます。
これで、 IlvManager Bean を作成できます。IlvManager Bean は、表示するグラフィック・オブジェクトを含んだデータ構造を提供します。

マネージャーを作成してその内容をビューに表示する

IlvManager Bean を作成してその内容をビューに表示するには、以下の手順に従います。
  1. ツールバーの IlvManager Bean アイコン IlvManagerColor16.gif をクリックします。
  2. それを形状デザイナーまでドラッグします。
    クラス IlvManager はグラフィカル Bean ではないため、異なる IDE では同じようには管理できません。次のイメージは、マネージャーを形状デザイナー内の小さなオブジェクトとして示したものです。
    形状デザイナー内での Ilvmanager Bean の表示
    形状デザイナー内の IlvManager Bean
    ここで、ビューとマネージャーを関連付ける必要があります。これは、IlvManagerView Bean の manager プロパティーを新しいマネージャー Bean に設定して行います。
  3. IlvManagerView オブジェクトを選択し、そのプロパティー・シートを有効にします。
  4. 次の図のように、その Manager プロパティーの値を ilvManager1 に設定します。
    Manager プロパティーの設定
    ビューの Manager プロパティーの設定
これで、IlvManagerViewIlvManager Bean のコンテンツが表示されます。いくつかの IlvManagerView オブジェクトを作成し、同じ IlvManager Bean に関連付けることができます。これにより、同じデータの複数のビューを持つことができます。

.ivl ファイルをマネージャーにロードする

.ivl ファイルを IlvManager Bean に読み込むには、以下の手順に従います。
  1. IlvManager1 オブジェクトを選択し、そのプロパティー・シートを有効にします。
  2. FileName プロパティーの値フィールドをクリックし、表示される省略符号ボタンをクリックします。
  3. 表示される「FileName エディター」・ウィンドウの省略符号ボタンをクリックします。
  4. JViews Frameworkdata ディレクトリーにある lou.ivl ファイルまで移動し、ファイルを開きます。
  5. 「FileName エディター」 ダイアログ・ボックスで 「OK」 をクリックします。
ファイルが自動的に IlvManagerView Bean の中に表示されます。
マネージャーにロードされるファイル
ファイルをマネージャーへロードする
次に、ビューのズーム・レベルとパンを制御できるツールバーを追加します。

コントロール・ツールバー Bean の追加

コントロール・ツールバー Bean を追加するには、以下の手順に従います。
  1. Rogue Wave JViews Bean ツールバーの IlvJManagerViewControlBar アイコン IlvJManagerViewControlBarColor16.gif をクリックします。
  2. それを形状デザイナーまでドラッグします。
    step7.gif
    形状デザイナー内の制御ツールバー
    ここでツールバーの View プロパティーを設定して、ツールバーをビューに関連付ける必要があります。
  3. IlvJManagerViewControlBar オブジェクトが選択され、そのプロパティー・シートがアクティブであることを確認します。
  4. 下図のように、View プロパティーの値フィールドで ilvManagerView1 を選択します。
    ビュー・プロパティーの設定
    ツールバーとビューの関連付け
ツールバーはさまざまな方法で設定できます。次の処理を行えます。
  • 対応するプロパティーを設定して、ツールバーの定義済みボタン・アイコンのいくつか (PanButtonAvailableSelectButtonAvailable など) を非表示にします。
  • Swing ツールバーのように、独自のボタンをツールバーに追加する。
  • ツールバーで使用されるデフォルトのインタラクターを変更する。
例えば、ツールバーに selectInteractor プロパティーがあり、「選択」ボタン・アイコンをクリックすると、ツールバーで使用する選択インタラクターを変更できます。選択インタラクター Bean のプロパティーを変更し、必要な選択のタイプを定義できます。例えば、編集機能を使用不可にすることができます。

ツールバーを設定する

ツールバーを設定するには、以下の手順に従います。
  1. ツールバーの IlvSelectInteractor bean IlvSelectInteractorColor16.gif をクリックし、それをフォーム・デザイナー内にドラッグします。
    選択されている選択インタラクター
    選択インタラクターの選択
  2. 下図のようにその EditionAllowed プロパティーを false に設定します。
    編集の有効化
    選択インタラクターのカスタマイズ
    ilvJManagerViewControlBar1SelectInteractor プロパティーを設定して、ツールバーで使用されているデフォルトの選択インタラクターを置き換えます。
  3. ilvJManagerViewControlBar1 オブジェクトを選択し、そのプロパティー・シートを有効にします。
  4. 次のように、SelectInteractor プロパティーの値を ilvSelectInteractor1 に変更します。
    選択インタラクターの設定
    デフォルトの選択インタラクターの置き換え
  5. プロジェクトをコンパイルします。
コードを 1 行も記述せずに Java アプリケーションが作成されました。
メモ
この例では、制御ツールバーを使用して、ビューにインタラクションを追加しました。また、IlvManagerViewinteractor プロパティーを使用して、マネージャー・ビューの IlvSelectInteractor などのインタラクター Bean を直接設定することもできます。

結果をテストする

結果をテストするには、以下の手順に従います。
  1. アプレットを実行します。結果のアプリケーションは、次のようになります。
    作成されたアプリケーション
    最終アプリケーション
  2. スクロール・バーと次のツールバー・アイコンを使用して、マネージャー・ビューに表示されるイメージを操作します。
    • ビューの内容をパンするパン・アイコン pan.gif
    • ビューのオブジェクトを選択する選択矢印アイコン selectarrow.gif
    • ズームする領域上に矩形をドラッグするインタラクティブ・ズーム・アイコン interactivezoom.gif
    • 拡大アイコン zoomin.gif および縮小アイコン zoomout.gif
    • マネージャーの内容がすべて表示されるように調節する、ビューに合わせるアイコンfittocontent.gif
これで例を終了します。プロジェクトの保存方法および保存時に生成されるファイルの種類についての詳細は、ご使用の IDE のマニュアルを参照してください。