ご使用になる前に

Rogue Wave® JViews Maps は、カスタム・ユーザー・インターフェースを構築するための広範な地図作成サービスを提供します。
これらのサービスを提供するに際して、Rogue Wave JViews Maps for Defense は、 JViews Diagrammer により提供されるサービスに依存します。
JViews Maps 製品をうまく活用するには、 そのアーキテクチャーと依存関係を理解する必要があります。
Rogue Wave JViews Maps は、以下により構成されています。
  • アプリケーション
  • Software Development Kits (SDKs)
アプリケーションは構築済みで、以下を行います。
  • 実行時にアプリケーションで使用する地図をあらかじめ構成する。
  • 地図上に配置できる記号と、アプリケーション・データの変更時のその振る舞いを定義する。
このようなアプリケーションは通常、実行時前にアプリケーションの各部を構成する際に使用します。 これにより、アプリケーションの開発が加速化されますが、最終的なアプリケーション内で使用する必要はありません。 以下に、 Rogue Wave JViews Maps の構造を示します。
ILOG
JViews Maps の構造
Rogue Wave JViews Maps の構造
Rogue Wave JViews Maps の機能は、 SDK 経由でも利用できます。SDK は、幅広い機能とより高い柔軟性を提供します。 このため、必要に応じて Java クラスを拡張して、エンド・ユーザーが必要とする正確なユーザー・インターフェースを作成できます。

アプリケーション

Rogue Wave JViews Maps には、以下のアプリケーションが含まれています。
  • Map Builder
  • JViews Diagrammer の Symbol Editor
  • JViews Diagrammer の Designer
  • JViews Diagrammer の Dashboard Editor
Map Builder
このツールはランタイム・アプリケーションの背景を定義するために使用します。 ただし、アプリケーションの背景を実行時に動的に構成する必要がある場合は、 Rogue Wave JViews Maps SDK を直接使用できます。
Map Builder では、マウスを数回クリックするだけで以下の処理を行えます。
  • 広範囲な地図データ形式およびパラメーターから地図データをインポートする。
  • 異なるレイヤーでそれらを結合し、ベクトル・データ・セットとラスター・データ・セットをミックスする。
  • 道路や境界の色や幅などの地図機能を変更する。
  • 好みのズーム・レベルに応じて、レイヤーの可視性および外観を制御する。 これにより、操作状況に応じた、意味のある情報を表示できるようになります。
  • 適切な投影法を選択する。
  • その他多数の機能...
以下に、Rogue Wave JViews Maps のMap Builderの例を示します。
JViews Maps のマップ・ビルダー
Rogue Wave JViews Maps のMap Builder
最終結果を地図定義ファイルとして保存し、実行時にロードすることができます。
メモ
Map Builderは、アプリケーションの背景地図を定義するツールですが、 製品を使い始める際に重要な以下の 2 つの機能も備えています。
  • SDK 参照: Map Builder を使用すると、SDK が提供する広範な機能を迅速に評価できます。
  • 開発の初期段階をスキップ: Map Builderは、ソース・コードとして配布され、Rogue Wave JViews SDK を使用して構築されています。最終アプリケーションで、コード・フラグメントを再利用できます。
Symbol Editor
Rogue Wave JViews Diagrammer は、Rogue Wave JViews Maps にバンドルされており、 資産を表すために使用する前景のインタラクティブ・オブジェクトを管理します。Rogue Wave JViews Diagrammer は、データ駆動型でルール・ベースの次のような原理を追加します。
  • 資産の追加、削除、変更により、アプリケーション・データ・モデルを操作する。
  • 記号を使用して、データ・モデルの表示方法を記述するスタイリング・ルールを定義する。スタイリング・ルールは、Cascading Style Sheet(CSS)標準に基づきます。
  • データ・モデルとスタイル・シートを適用することにより、 Rogue Wave JViews Diagrammer は記号を作成し表示する。
  • データ・モデルが変更されると、記号やそのグラフィックの変更がトリガーされる。
  • ユーザーは、グラフィックを対話形式で操作する際に、データ・モデルの変更をトリガーすることができる。
以下に、スタイル・ルールの例を示します。
スタイル・ルール
スタイル・ルール
JViews Diagrammer に付属の Symbol Editor は、 豊富なインタラクティブ記号のパレット作成に使用するポイント・アンド・クリックのインターフェースです。 これらの記号は、グラフィック部分、カスタム振る舞い、インタラクションを組み合わせたものです。 これらを使用して、アプリケーションのグラフィック・ビューにデータを取り込むことができます。
Symbol Editor
Symbol Editor
記号を使用して、以下を表すことができます。
  • モニター・アプリケーションおよび管理アプリケーション用の地理参照グラフィック。 このような記号は、車両、移動資産、天気図の記号などを示すため、背景地図の上に重ねて表示されます。 視覚的な定義に加え、これらの記号には、情報を状況として表示するのに必要な振る舞いや、その他のアプリケーション固有のモニター対象資産情報が含まれます。
  • グラフ、トポロジー、ER 図、またはビジネス・プロセスのグラフィック・ノード。
  • その他の GUI オブジェクト (ボタン、スライダー、チェック・ボックスなど)
代表的な記号
代表的な記号
JViews Diagrammer の Designer
JViews Diagrammer の Designer は、アプリケーション・データの視覚的な外観を指定するスタイル・ルール作成に使うポイント・アンド・クリック式のアプリケーションです。

Designer for JViews Diagrammer
JViews Diagrammer の Designer
JViews Diagrammer の Designer を使用すると、サンプル・データ・モデル、Map Builderで作成した地図ファイル、構築済みまたはカスタマイズした記号ライブラリーをインポートでき、これらのデータ・セットでルールを対話的にテストできるため、最終的にどのように表示されるかが明確になります。 また、ドメイン固有のデータ・モデルをアプリケーションでどのように使用するかを記述したり、 この情報が記号にどのような変化をもたらすかをテストしたりすることもできます。
例えば、ルールは以下のようになります。
If there is an object of the type Airplane with a Status property equal to Critical
Then modify the monitored_asset parameter so that its background color switches to red
出力は、JViews Diagrammer プロジェクト・ファイルです。 このファイルをアプリケーション・コードにインポートし、SDK を使用して拡張します。
Dashboard Editor
Dashboard Editor は、あらゆる種類の概略図やダッシュボードの描画に使用するポイント・アンド・クリック・インターフェースです。標準のベクトル・グラフィック・オブジェクトや動的な記号で構成され、結果として作成されたダッシュボードをロードし、実行時に実際のデータに結びつけることができます。このエディターは、記号を表示上に手動で配置した後、基盤となる実際のビジネス・オブジェクトに関連付けるモニタリング・ディスプレイの作成に便利です。

SDK

Rogue Wave JViews Maps には、4 つの異なるコンポーネント・ライブラリーがあります。
最上位のレイヤーは、アプリケーションの Java コードを表し、 付属する SDK の一部またはすべてと対話できます。必要な場合は、それをバイパスして Java2D や Swing API を直接呼び出すことができます。
例えば、Rogue Wave JViews Diagrammer SDK は、地図上にインタラクティブなオブジェクト (記号) を表示するときに必要であり、一方、 Rogue Wave JViews Maps SDK は、地図背景の処理を行います。
以下に、このアーキテクチャーのモジュールと、それらのモジュールが提供するサービスを示します。
ILOG
JViews Maps のアーキテクチャー
Rogue Wave JViews Maps のアーキテクチャー図 (サービスの観点から)
一番下のレイヤーから始まって、すべての Rogue Wave JViews ライブラリーが Java2D および Swing ライブラリーの上に構築され、プラットフォーム固有のコードはありません。 つまり、Rogue Wave JViews で開発されたアプリケーションは Java をサポートするどのプラットフォームでも稼働します。
この低レベル・レイヤーの上が JViews Framework レイヤーになります。これには、効率的なデータ構造、構築済みのデータ・インタラクション・サービス、および印刷機能などが含まれています。JViews Framework は、Rogue Wave と別には購入できません。 これは、Rogue Wave JViews 製品ラインで各製品の中核コンポーネントとしての機能を果たします。
JViews Framework の上位は JViews Maps であり、広範な地図操作や表示サービスを提供します。これは JViews Framework のデータ構造と I/O 機能の上に構築されています。
同じレベルには、Rogue Wave JViews Diagrammer があり、データを認識するカスタム・グラフィック・オブジェクトで構成される広範な表示を提供します。 データを認識するということは、基礎となるデータ・モデルが変更されると、表示上のグラフィック・オブジェクトの外観も変更されるということです。例えば、車両を表すグラフィック・オブジェクトについて、状況フィールドが変更になると、その色を変更することができます。
Rogue Wave JViews Diagrammer は、Swing 構造に慣れている Java プログラマーには馴染みのある Model-View-Controller (MVC) アーキテクチャーを使用します。その目的は、データ・モデルをビューと切り離して、データ値に基づいてオブジェクトの外観を制御するルール・ベースのスタイル・マネージャーによってその両方を関連付けることです。以下にそれを示します。
データ・モデルのアーキテクチャー
データ・モデルのアーキテクチャー
JViews Diagrammer では、このメカニズムを Styling and Data Mapping(SDM)と呼びます。 Rogue Wave JViews Maps ではこれを使用して地図上に表示されるインタラクティブ・オブジェクトを保存し、操作します。
したがって、Rogue Wave JViews Maps では次の 2 つの異なるデータ構造を使用します。
  • 相対的に静的な地図データ (道路や境界の定義など) を保存するもの
  • アプリケーションのカスタム・オブジェクトについての情報を保存する SDM
最終アプリケーションは、Swing、Java2D、および JViews SDK 呼び出しのミックスを実行する Java コードです。アプリケーション・コードは、 Rogue Wave JViews Maps アプリケーションで作成したファイルの出力を単にロードする数行のものである場合もありますし、動的な地図やデータ・フィードを使用する洗練された分析ツールのような場合もあります。どちらの場合にも、Map Builderでアイデアやコードを再利用することをお勧めします。

Java および Web 配布のコンポーネント

次の構築済みのコンポーネントを使用して、開発段階を迅速化することができます。
  • Java IDE と併用して Java アプリケーションやアプレットを開発する JavaBean コンポーネント
  • Ajax および DHTML を活用するシン・クライアント Web アプリケーション開発用の JavaServer Faces コンポーネント

サンプルの実行

サンプルの実行についての詳細は、 「サンプルの開始」のセクションを参照してください。

Rogue Wave JViews プログラムのコンパイル

Rogue Wave JViews プログラムをコンパイルするには、Java クラスパスに適切な Rogue Wave JViews ライブラリーが存在する必要があります。詳細については、「配布構造」を参照してください。
IDE を使用する場合、IDE での Rogue Wave JViews ライブラリー・インストールは、IDE に規定されるという点にご注意ください。詳細は、使用する IDE のマニュアルをご覧ください。