IlvSimpleGraphic クラス
IlvSimpleGraphic は
IlvGraphic から継承された基本クラスです。
IlvSimpleGraphic は
IlvGraphic クラスのすべての機能を実装し、そのオブジェクトを描画するために使用される
IlvPalette リソースを各インスタンスに追加します。このクラスは、グラフィック・オブジェクトに関連付けられた
IlvPalette のインスタンスに集められた色、フォント、パターンなどのグラフィック・プロパティーにアクセスし、変更する操作を実行します。オブジェクトのジオメトリー変換も適用できます。
IlvSimpleGraphic オブジェクトには独自の
IlvPalette オブジェクトが含まれます。これはつまり、グラフィック・オブジェクトは同時に幾何学形状でもあり、この形状を表示するアトリビュート一式でもあるということです。したがって、このクラスからアプリケーションに必要な新しいオブジェクトを作成できます。必要なメンバー関数もあり、不必要なものもあります。Rogue Wave® Views オブジェクト・ライブラリーにはそのような多数のオブジェクトや、ほとんどすべての問題に対する幅広いソリューションが含まれています。
メンバー関数
IlvSimpleGraphic クラスには、パレットのアトリビュートにアクセスできるメンバー関数が含まれています。すべての
IlvSimpleGraphic オブジェクトには
IlvPalette オブジェクトがあり、これはオブジェクトの間で共有できます。したがって、
IlvSimpleGraphic オブジェクトに前景などのグラフィック・プロパティーの変更を指示すると、次の操作が実行されます。
2. メンバー関数 IlvResource::lock が新しいパレットで呼び出されて参照カウントを増やします。
3. グラフィック・オブジェクトの旧パレットが呼び出されます。
4. メンバー関数 IlvResource::unlock が、旧パレットで呼び出されます。
5. 新しいパレットが、オブジェクトの現在のパレットとして登録されます。
これらの操作は、
IlvPalette の共有を保証します。
IlvPalette オブジェクトについては、この機構を使用することを推奨します。これは、
IlvGraphic::setForeground などのグラフィック・アトリビュートを変更してリソースを操作できるメンバー関数が、仮想
関数として定義されているためです。
グラフィック・アトリビュート
IlvSimpleGraphic コンストラクターには、そこからリソースを取得する
IlvPalette オブジェクトが必要です。
palette パラメーターは、特定の値に設定するか、または指定しないでおきます。この場合、値は、
0 になります。パレットが
0 に設定されると、表示オブジェクトのデフォルトのパレットが使用されます。このパレットは、メンバー関数
IlvDisplay::defaultPalette によって返されるパレットです。
palette パラメーターは、オブジェクトの作成時にロックされ、削除時にロック解除されます。
Version 6.0
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